定昇込みで4.60%と予測、
24年実績より下回るも高水準を維持
労務行政研究所
2024年の賃上げ実績は5.33%(厚生労働省調査)となり、実に33年ぶりの5%台に達した。しかし、依然として続く物価高により実質賃金はマイナス基調から脱することができず、生活向上の実感が乏しいのが現状である。こうした状況を受け、25年の春闘も24年と同水準の賃上げを求める声が多く、政府は総合経済対策として物価上昇を上回る賃金上昇を全国的に幅広く普及・定着させる取り組みを掲げている。連合は24年に引き続き “5%以上” を目安とする賃上げを要求する一方、経団連も指針案において23・24年に実現した大幅な賃上げの「定着」が企業の責務だと強調した。こうした中、各社の労使がどのような認識で賃金交渉に臨むのか、関心は近年さらに高まっている。
当研究所では1974年から毎年、賃金交渉の動向を把握するための参考資料として、「賃上げ等に関するアンケート調査」を、労使の当事者および労働経済分野の専門家を対象に実施しており、本特集では2025年の調査結果を紹介する。
本調査では世間相場(東証プライム上場クラスを想定)の賃上げ見通しのほか、労働側と経営側に対しては、自社における25年の定期昇給(定昇)・ベースアップ(ベア)の実施予定や自社における実際の賃上げ率の見通し、25年春季交渉で課題・焦点となる人事施策も尋ねている。