2023年12月08日発行 労政時報本誌  4068号 016頁

特集1:本誌特別調査

2023年海外赴任者の処遇

当研究所では、1972年から毎年、海外赴任者(駐在員)の給与水準と給与制度の設定内容ほか、海外赴任者管理にまつわる諸事項について、実態調査を行っています。
本年調査では、海外給与の決定方式、主要都市別に見た海外基本給の水準と併せて、帯同家族手当および海外勤務手当/インセンティブ手当の設定方法・支給要件、留守宅手当等の支給状況、海外赴任前後の職位、赴任期間の設定方法と上限・目安年数等を取り上げました。
以下では、『労政時報』第4068号(23.12.8)で掲載した調査結果の主なポイントをご紹介します。

■ポイント

【海外給与の決定方式と給与体系】

海外基本給の決定方式:「購買力補償方式」が70.8%(22年72.1%)と約7割を占める
海外基本給の支払い方法:「現地通貨と円貨を組み合わせて支払う」企業が73.6%で最多
諸手当の設定状況:「帯同家族手当」は40.6%、「海外勤務手当/インセンティブ手当」は73.6%、「ハードシップ手当」は74.5%が個別の手当として設定

【単身赴任者の海外基本給】

総額で見た水準:上海の場合、30歳2万2495人民元、35歳2万5463人民元、40歳2万9103人民元、45歳3万2695人民元
35歳=100とした場合の水準:30歳は77~89、40歳は109~124、45歳は118~141

【家族帯同赴任者の給与・年収】

月例給与の水準:課長クラスの海外給与月額は、ニューヨーク6168ドル、シンガポール7757Sドル、バンコク13万8834タイバーツ、上海3万3085人民元
賞与を含めた年収総額:円建て換算による課長クラスの年収は、ニューヨーク1635万円、シンガポール1670万円、バンコク1346万円、上海1486万円

【付帯調査】

帯同家族手当・海外勤務手当の設定方法と支給要件:帯同家族手当の金額の設定方法は「定額」が76.3%。支給要件(複数回答)は「帯同家族の区分(配偶者・子)・人数別」が68.4%で最多
赴任期間の設定:赴任期間に関する規定・目安の有無については、「規定あり」が36.8%、「規定はないが、年数の目安がある」が27.4%

■総額で見た海外基本給の水準

 主要26都市について、海外基本給の「円貨部分」をすべて現地通貨建てに換算し、総額を示した[図表]。35歳の総額を見ると、上海は2万5463人民元、バンコクは11万3457タイバーツ、シンガポールは5407Sドルとなっている。

[図表]主要都市における単身赴任者の海外基本給の水準(総額)

[注]ソウルのWON、ジャカルタのRp、ホーチミンのVNDについては1000分の1にして水準を集計した。

【労務行政研究所調査の調査要領】

1.調査時期:2023年8月18日~10月27日

2.調査対象:東洋経済新報社『2021海外進出企業総覧』所載の企業のうち、①海外現地法人を有する企業、または②海外支店・駐在員事務所を有する企業、および『会社四季報未上場会社版WEB』所載の企業のうち、上記①または②に該当するとみられる企業の計3861社。

3.集計対象:上記調査対象のうち、回答のあった106社。規模別の内訳は、1000人以上55社、300~999人27社、300人未満24社。



『労政時報』第4068号(23.12.8)の特集記事

1.2023年海外赴任者の処遇

2.人事制度事例シリーズ 三菱食品

3.2024年賃上げ見通しと経済・経営環境

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