当研究所では、1972年から毎年、海外赴任者(駐在員)の給与水準と給与制度の設定内容ほか、海外赴任者管理にまつわる諸事項について、実態調査を行っています。本年調査では、海外給与の決定方式、主要都市別に見た海外基本給の水準と併せて、ハードシップ手当等の支給水準、2022年以降の急激な円安と赴任地における物価上昇への対策、赴任前研修の実施状況等を取り上げました。以下では、『労政時報』第4047号(22.12.9)で掲載した調査結果の主なポイントをご紹介します。
■主な調査項目に見るポイント
【海外給与の決定方式と給与体系】
【単身赴任者の海外基本給】
【家族帯同赴任者の給与・年収】
【付帯調査】
■海外基本給と対前年上昇率
主要26都市について、単身赴任の場合の海外基本給の水準は、[図表]のようになった。ニューヨークへ単身赴任している場合の2022年海外基本給の平均を見ると、30歳2728ドル、35歳3601ドル、40歳4077ドル、45歳4734ドルとなっている。また、35歳について前年と比較すると、2021、2022年の両年の水準が確認できた3社の平均で12.7%のプラスとなった。
35歳の海外基本給の上昇率を見ると、21都市中12の都市で前年比マイナスとなっている。ただし、都市によっては集計社数が少なく、通貨レートや物価の変動が影響しているケースもあり、また、新型コロナウイルス感染症の影響なども考えられるため、留意が必要である。
[図表]主要都市における単身赴任者の海外基本給の水準と対前年上昇率
[注]1.対前年上昇率は、本年回答があった企業のうち、本年分と前年分の記入があった企業のデータを比べて算出している。対前年上昇率の△はマイナスを表す。また、同一都市で集計データが2社以下の年齢ポイントは掲載を省略した。
2.本年分回答企業のすべてが前年分も回答しているわけではないため、同じ都市・年齢でも水準と対前年上昇率の集計社数が異なるケースがある。
3.※印をつけた都市は、現地通貨ではなくUS$建てで通貨設定する企業が多いため、US$建てで集計した。
4.ソウルのWONについては1000分の1にして水準を集計した。
【調査要領】
1.調査時期:2022年8月18日~10月24日
2.調査対象:東洋経済新報社『2021海外進出企業総覧』所載の企業のうち、①海外現地法人を有する企業、または②海外支店・駐在員事務所を有する企業、および『会社四季報未上場会社版WEB』所載の企業のうち、上記①または②に該当するとみられる企業の計3823社。
3.集計対象:上記調査対象のうち、回答のあった86社。規模別の内訳は、1000人以上38社、300~999人25社、300人未満23社。
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『労政時報』第4047号(2022.12.9)の特集記事 1.2022年海外赴任者の処遇(労務行政研究所) 2.企業人事としての海外有事への備えと対応 3.〈施行前・改正前の要点整理〉これから施行・改正される法令のポイントまとめ 4.2023年賃上げ見通しと経済・経営環境 ※表紙画像をクリックすると目次PDFをご覧いただけます |
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