2022年09月23日発行 労政時報本誌  4042号 018頁

特集1:本誌特別調査

改正育児・介護休業法への対応アンケート

2022年4月から段階的に施行されている改正育児・介護休業法について、労務行政研究所では2022年7月時点における各社の対応状況、法改正前後での変化、男性育児休業への取り組み状況などについてWEBアンケートを実施しました。以下では、『労政時報』第4042号(22.9.23)で掲載した調査結果の主なポイントをご紹介します。

■主な調査項目に見るポイント

育休制度の現状:育休の取得可能期間は、51.9%が法定どおりの「1歳まで」と回答。法定および法定を上回る育休共に、9割以上の企業が休業期間中に月例賃金を「支給しない」
妊娠・出産の申し出に対する個別周知・意向確認措置(複数回答):実施方法としては、「書面の交付」が59.1%で最多、次いで「対面での面談」が58.6%
育休を取得しやすい雇用環境整備(複数回答):雇用環境整備として法改正前から実施していた措置は「育休に関する相談体制の整備」が60.6%で最も多い。改正後に新しく実施したものは「育休に関する制度と育休取得促進に関する方針の周知」が30.4%で最多
出生時育児休業(産後パパ育休):同休業中の就業は47.1%が「認める」と回答。規模別では、1001人以上では「認めない」が6割台となる一方、300~1000人、300人未満では「認める」の割合が高い。申し出期限は、法定の「休業開始予定日の2週間前まで」が77.6%
育休中の就業可否:育休中の就業について「一時的・臨時的な場合にのみ認める」が29.9%、「全く認めない」が67.8%
男性の育休取得状況の公表方針:1001人以上では56.5%が2023年4月から公表する予定。1000人以下では「対応未定」が44.4%
2021年度(直近の事業年度)における男性社員の育休取得状況:男性の育休取得者がいた企業は64.4%。平均取得率は35.9%、平均取得日数は37.3日
男性が育休を取得しやすくするための取り組み:意識改革の取り組みは、40.2%が実施。法を上回る措置としての、独自の育児目的休暇等を設けている企業は53.2%
男性の育休取得を促進する上での課題(複数回答):「職場の理解促進」が72.5%、「管理職の理解促進」が66.0%で多い

■出生時育児休業中の就業可否

 2022年10月1日から施行される改正法のポイントの一つが「出生時育児休業」の創設である。その特徴の一つが、労使協定を締結することにより、本人が希望した場合には休業中に就業できる点だ。同改正への対応について、本アンケート実施時点では、「対応した」(「認める」と「認めない」の合計)企業が56.0%で半数以上となっているものの、「対応未定/検討中」とする企業も44.0%あった。
 「対応した」企業のうち、出生時育児休業中の就業を「認めない」が52.9%で、「認める」の47.1%を5.8ポイント上回った。規模別に見ると、1001人以上で62.9%が「認めない」と答え、「認める」が37.1%だった。一方、300~1000人では「認める」が54.7%、300人未満で同54.9%となり、規模が小さくなるほど、出生時育児休業中の就業を「認める」企業の割合が高くなっている。

[図表]出生時育児休業(産後パパ育休)中の就業への対応状況

【調査要領】

1.調査時期:2022年7月5日~15日

2.調査方法:WEBによるアンケート

3.調査対象:「労政時報」定期購読者向けサイト「WEB労政時報」の登録者から抽出した人事労務担当者2万8603人。

4.集計対象:前記調査対象のうち、回答のあった364社(1社1人)。規模別の内訳は、1000人以上139社、300~999人121社、300人未満104社。



『労政時報』第4042号(2022.9.23)の特集記事

1.改正育児・介護休業法への対応アンケート(労務行政研究所)

2.令和4年10月1日施行 チェックリストで確認 改正育児・介護休業法の実務

3.ジョブ型人事制度事例シリーズ:リコー

4.施行直前! 短時間労働者への社会保険の適用拡大対応

5.208国会で成立した労働関係法律

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