2020年01月24日掲載

BOOK REVIEW - 『OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める』

北野唯我 著
四六判/256ページ/1500円+税/ダイヤモンド社 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊



 上司が「なんでも相談して」と言いつつ席にいない、「部署を越えた質問、情報のやりとり」がしづらい――これらは一例だが、当てはまるものがあるとすれば「オープネスが低い」会社かもしれない。「オープネス(開放性)」とは、情報の透明性・戦略のクリアさ・リーダーの自己開示性であり、日本の職場に最も欠如している要素の一つだと筆者は述べている。従業員の満足度や企業業績との相関性が高いことが判明している「オープネス」について、筆者オリジナルの理論とデータで解き明かしていく。

 本書は、オープンワーク社の「職場環境のデータ」を利用して分析をしている。同社のデータは大きく2種類に分かれ、一つは「風通しの良さ」「社員の士気」「人事評価の適正感」等、職場の働きがいに関する11項目の評価点をスコア化した定量的データ。もう一つは、定性的な要素としての「社員クチコミ」だ。こうした「職場環境のデータ」を可視化することで、「職場の空気」を定量的に分析することが可能になるという。

 第2章では、「オープネス」を決める3要素を、経営と現場の関係がどれだけオープンであるかを指す「経営開放性」、社内情報へのアクセスのしやすさを指す「情報開放性」、自分の才能を表現しても攻撃対象にならないことを指す「自己開示性」と説く。第3章では、この3要素をどのように高めるかを解説した上で、リーダーができる「オープネスを高めるアクション12選」を提示し、終章となる第4章「オープネスをどう使うか」へと続く。本書を片手に、自分の所属する組織は「成果を出すために、健全に意見をぶつけあえる」オープネスの高い職場であるか、今一度確認してみてはいかがだろうか。

 



OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める

内容紹介

本書では「ウチの会社、何かがおかしい」?と自分の会社になんとなく疑問を感じている人に向けて、オリジナルの理論とデータでその謎を解き明かします。これまで、会社の評価をするときには「財務データ」「経営者の情報」がその根拠として使われてきた一方、社員の士気を左右する「職場の空気」については、定量化が難しく、可視化されていませんでした。しかし、著者が戦略担当ディレクターを務めるオープンワークにためられたのべ840万人の現役・OB社員のクチコミから、V字回復した企業、好調を維持する企業に共通の傾向をまとめたところ、オープネス(OPENNESS、風通しの良さ)が重要であることがわかってきました。本書では、グローバル企業から日系大手、ベンチャーまで企業の事例を豊富に使いながら、オープネスとは何か、そしてオープネスを使った組織戦略について、わかりやすく説明しています。