2011年10月03日掲載

好印象で仕事上手! ビジネスパーソン メール術【神垣あゆみ】 - メールも表現のぜい肉を落として、すっきり簡潔に!:ビジネスパーソン メール術(11)

【連載再始動!】好印象で仕事上手! ビジネスパーソン メール術(11)
神垣あゆみ かみがきあゆみ/ライター

あなたのメールは、すっきりスリムですか? 表現のぜい肉が多いと、まとまりがなく、何がポイントなのか分かりづらいメールになってしまいます。ムダな表現を取り除き、きちんと用件が伝わるメールにするポイントをご紹介しましょう。

●スリムなメールにする秘訣-1:敬語は一文に1つか2つ

相手に失礼のないように丁寧な表現を意識するあまり、つい使い過ぎてしまうのが敬語表現です。敬語表現を数多く使えば、文章の丁寧さが増すというわけではありません。適切・的確な使い方をしてこそ、相手への敬意が伝わるのです。

よく見かけるのが、次のような「お」や「ご」の使い過ぎです。

× 体に気をつけて過ごしください。

くれぐれもご自愛ください。

一文に「お」が3回も使われていて、くどい印象が否めません。相手の体調を気遣う表現としては「ご自愛ください」の方がすっきりします。

× 親切で丁寧な回答をいただき、感謝申し上げます。

親切で丁寧なご回答をいただき、感謝申し上げます。

相手が「回答してくれた」ことへの感謝を伝える一文ですから、尊敬の「ご」は「回答をいただき」の前に付けばよく、それを修飾する「親切で」「丁寧な」にまで「ご」を付ける必要はありません。

●スリムなメールにする秘訣-2:易しく書き換える

「とりあえず格好がつくから」という理由で、難しい表現や格式ばった表現を多用したメールを見かけます。いわゆる「お役所言葉」といわれる表現で、半ば慣例化して日常的に使われているケースも見受けられます。

× △△について特段の御高配を賜りますようお願い申し上げます

△△については特にご配慮をお願いいたします

「特段の御高配」のような堅苦しい表現を使えば、丁寧な文章、知的な文章になるわけではありません。相手にとって分かりやすい表現になっているかを第一に考えましょう。

× 抜本的かつ体系的な見直しを早急に行います。

原因究明と全体の見直しを10月3日から始めます。

形式ばった難しい言葉を使えば、もっともらしく見えますが、「では、実際にどのように対応するのか」がイメージできません。形だけの言葉だけでなく、具体的な対応策を伝えることも必要です。

●スリムなメールにする秘訣-3:言い切る表現を使う

「~と思います」「~したいと思います」「~しなければならないと思います」といった、「思います」の多用も注意しましょう。「思う」で終わらせず、「~です」「~します」と言い切る方が、相手に意思が伝わります。

× 誤字を見落とさないようにしようと思います

誤字を見落とさないように気をつけます

「~と思われます」「~かもしれません」「~のはずです」など、どっちつかずのはっきりしない表現も要注意。どのように対処するか言い切ることが大切です。

× 分からないことがあれば、なるべく先輩に質問したりしています。

分からないことは先輩に質問その場で確認しています。

「なるべく~したりしています」のような曖昧な表現も消極的な印象を与えます。やる気を伝えるためにもきりっと引き締まった表現を心がけましょう。

《ワンポイント》CC、BCCの使い方
CC(Carbon Copy)は同じメールを複数の相手に同時に送信する機能で、BCC(Blind Carbon Copy)は送信する相手に他の同報先を知らせたくない場合に使う機能です。複数のメンバーで情報を共有したい場合にCCを使うと便利ですが、情報は共有したいけれど、同報する相手とそのメールアドレスを知らせたくない場合にはBCCを使います。相互に面識のない複数の相手に一斉送信するときは、BCCを使いましょう。

神垣あゆみ(かみがきあゆみ)Profile
ライター
広島を拠点に官公庁冊子や企業の記念誌、社内報、PR誌の編集・制作に携わる傍ら、メールマガジン「仕事美人のメール作法」を配信。『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など、メールマナー関連の著書多数。