2012年03月01日掲載

人事業務のアウトソーシング活用実態 - アウトソーシング未利用企業の利用したい業務

 
 Q10  貴社で、予算上の制約がないものとして、今後アウトソーシングを利用したい業務についてお答えください(複数回答)。
 

 ここでは、上記Q9の今後の利用意向で「利用したい」「分からない」と回答した63社に対して、予算上の制約がないことを前提に、今後アウトソーシングを利用したい業務をたずねた。

 
 ■ 全 体
 

 全31業務の中で最も支持されたのは「給与計算・社会保険業務」で66.7%と3社に2社の割合となっている。以下、「社宅・寮の管理」46.0%、「メンタルヘルス対策」44.4%、「管理職研修」41.3%、「経費(出張旅費等)の処理」36.5%と続いている[図表20]
 なお、前掲の[図表5]では実際にアウトソーシングしている企業の具体的業務の状況をみたが、この[図表20]の結果と比較してみると、実際に利用されている業務よりも未利用企業の利用意向が10ポイント以上高い(利用意向が強い)業務は、①経費(出張旅費等)の処理(△27.4ポイント)、②メンタルヘルス対策(△14.9ポイント)、③採用面接者への研修(△11.4ポイント)、④カフェテリア・プランの設計・運用(△10.9ポイント)の四つである[図表21]
 逆に、実際に利用されている業務よりも未利用企業の利用意向が10ポイント以上低い(利用意向が弱い)業務は、①新入社員研修(24.2ポイント)、②特定分野の研修での外部機関への派遣(17.6ポイント)、②社員食堂の運営(16.6ポイント)、④保養所の管理(12.5ポイント)、⑤eラーニングの実施(12.4ポイント)となっている。

 
 ■ 規模別
 

 「給与計算・社会保険業務」「社宅・寮の管理」「メンタルヘルス対策」は各規模で上位に挙げられている[図表22]
 それ以外の項目で規模別に50%以上の項目をみると、3000人以上は「管理職研修」「経費(出張旅費等)の処理」「新卒者の募集」がともに60%、1000~2999人は「ライフプラン研修」50.0%、100~299人は「管理職研修」50.0%、100人未満は「休暇・勤怠管理」「新卒者の募集」「カフェテリア・プランの設計・運用」「社員食堂の運営」「特定分野の研修での外部機関への派遣」「財形支援制度の設計、管理事務」「保養所の管理」「新卒応募者への採用面接」がともに50%となっている。

人事関連業務におけるアウトソーシングに関するアンケート調査
労務行政研究所 編集部調査
本調査における「アウトソーシング」とは、単発的に業務を外注したり、派遣社員に業務を依頼するようなものではなく、年間単位など継続的に業務の一部または全部を外部(他社)に処理させるために委託し、委託業務の運営管理は自社以外の場所(他社)において行うものを指す。また、グループ内企業であるシェアードサービス会社へのアウトソーシングは含むが、シェアードサービスセンターのような社内の一組織で業務を行うようなものは含まない。