障害者の法定雇用率を満たしていない企業に納付金を課す制度に関し、厚生労働省は21日、現行の従業員100人超から対象企業を広げ、80人超とする案を労働政策審議会分科会に示した。未達成だと不足1人分で月5万円の納付金を課している。比較的規模が小さい企業にも雇用を促し、社会全体で就労拡大に取り組む機運をつくる狙いがある。
中小企業団体の委員は、物価高による経営環境悪化や障害者支援に当たる人員不足から「強く反対する」と述べた。年内に議論をまとめ、来年の通常国会への関連法改正案提出を目指す。
法定雇用率は従業員の一定割合以上の雇用を企業に義務付ける制度で、7月から2・7%に引き上げられた。従業員37・5人以上につき1人の雇用義務がある。
納付金を巡り厚労省は、障害者2人以上の雇用義務が生じることなどを根拠に、80人超への見直し案を提示。導入まで5年程度の準備期間を設け、当初は1人も雇用していない企業を対象とする経過措置も併せて盛り込んだ。
日本商工会議所の委員は、中小企業が物価高で「生き残りを懸けて利益確保に取り組んでいる」とし、支援体制が整うまで対象を広げるべきではないと訴えた。有識者委員は「(企業側の)団体が嫌だと言うのは当たり前。どうすればできるかを考え、工程表を作るべきだ」と指摘した。
(共同通信社)
2026年10月21日 共同通信社