2026年09月02日  共同通信社

AI前提の働き方改革を 力強い賃上げ浸透訴え 27年春闘、経団連指針骨子

 経団連が2027年春闘で経営側の指針としてまとめる「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」の骨子案が2日、分かった。人工知能(AI)などの活用を前提とした「働き方改革」が必要と指摘し「付加価値の最大化と労働投入の効率化を実現」すると明記。賃上げの基本方針は「力強いモメンタム(勢い)の浸透・定着」を訴える。
 経団連の労働政策本部の委員会が10日から議論を始める。27年1月に正式決定し、公表する見通しだ。骨子案では人口減少が進み、働き手も不足する現状に危機感を示し「限られた労働力でより高い付加価値を生み出す『供給力の強化』が不可欠」だと強調した。
 経労委報告は主に大企業向け指針だが、中小企業に対しても賃上げの継続を促した。賃上げ原資の確保に向け、AIなどを活用した省力化設備の導入や拡充に加え、人件費や原材料費などコスト上昇分の適正な価格転嫁が必要だと訴えた。「わが国企業のほとんどを占める中小企業に対するメッセージを特に意識」すると踏み込んだ。
 ただ、中小企業は近年、業績が改善していないのに、人手確保を目的とした「防衛的賃上げ」を迫られており、息切れが指摘されている。今後の議論は、中小企業が置かれた環境に配慮しながら慎重に進める。
 長引く物価上昇で生活防衛意識が高まる現状を踏まえ、生活関連手当の再検討や職務関連手当の拡充なども論点に挙げた。
(共同通信社)