働く人のうち、労働時間を長くしたいと考えているのは、わずか4・3%-。そんな調査結果を、東京大社会科学研究所がまとめた。労働時間を長くしたい人は、非正規雇用者や低収入の人に偏り、男性より女性の方が割合が高かった。高市早苗政権は人手不足を背景に、裁量労働制の拡大など、労働時間の規制緩和を検討しているが、実際に長く働きたい人と、政策が想定している対象にはギャップがあることが示唆された。
調査チームの石田賢示准教授(社会学)は「労働時間を増やしたいと考えている人は少数に過ぎない。安定した正規雇用に就きやすい環境を整備する方が多くの人にとって望ましいのではないか」と話している。
同研究所では2007年から毎年、働き方やライフスタイルを尋ねる全国調査をしている。今年は1~3月に、07年から追跡調査をしている人を含む28~60歳の男女3705人から回答を得た。
仕事をしている3319人のうち労働時間を「長くしたい」と答えたのは男性2・8%、女性5・5%で、全体では4・3%だった。「短くしたい」は男性44・1%、女性32・5%。長くしたいとの回答の割合は、初めて尋ねた09年調査から緩やかな減少傾向にある。
正規雇用者で長くしたいと答えたのは男性1・9%、女性0・7%だったのに対し、非正規では男性12・1%、女性11・9%。年収75万円未満や「暮らし向きが貧しい」とした人は、長くしたいとした割合が高かった。
24年調査で長くしたいと答えた女性の6割以上が、実際に労働時間を増やしており、非正規から正規になったケースが多かった。長く働きたいとの意向は、正規雇用になり生活を安定させたいという希望の表れの可能性があるという。
(共同通信社)
2026年08月23日 共同通信社