2026年07月10日  共同通信社

改正労災保険法が成立へ 農林水産業に強制適用 新たな対象22万事業主か

 小規模な農林水産業事業主への労災保険の強制適用などを柱とした改正労災保険法が10日、参院本会議で可決、成立する。新たな適用対象は最大約22万事業主に上るとみられる。また、労災で亡くなった人の配偶者らが受け取る遺族補償年金に関する年齢要件を撤廃することや、脳・心臓など一部疾患における労災の時効延長も盛り込んだ。
 厚生労働省によると、労災保険は原則、労働者を雇用すれば強制適用される。しかし、労働者が5人未満の農業など小規模な農林水産業は実態把握が困難といった理由から、「暫定任意適用事業」として任意での加入が認められていた。
 近年、農業などの第1次産業での労災が深刻化していることを受けた措置。労働者保護の観点から、労災保険への加入を義務付けた。
 遺族補償年金を巡っては、これまでは夫を亡くした妻は年齢に関係なく受給できるが、夫は妻の死亡時点で原則55歳以上でなければ受け取れなかった。夫と死別した女性による生計維持は困難との考えが背景にあった。
 女性の就業率上昇や共働き世帯の増加を踏まえ、男女格差の解消を図るため改正に踏み切った。遺族補償年金が創設された1965年以来の変更となった。
 これらとは別に、一部疾患について、発症後の迅速な請求が困難な場合があるとして、保険給付の権利時効を2年から5年に延長することも明記。脳・心臓疾患のほか、精神疾患、石綿関連疾患を対象とした。
(共同通信社)