2026年05月04日  共同通信社

障害者就労で在宅乱用か 「半数以上利用」3倍 利益目的も、国が指導通知

 障害者が通って職業訓練をする就労支援の作業所で、「利用者の半数以上が在宅」というケースが2025年までの4年間で3・2倍になっていたことが4日、厚生労働省のデータで分かった。在宅の場合、作業所で支援するスタッフの人件費など経費を抑えられるため、厚労省は利益目的の一部事業者が必要ないのに在宅支援を乱用しているとみており、今年4月、全国の自治体に指導の徹底を求める通知を出した。
 重い障害や特性で必要な人も実際にいるが、中には「家で1日1回植木に水をやるだけで、お金がもらえる」とうたったり、生産活動の実態がない作業をさせたりしている例もあり、「就労支援という理念からかけ離れている」と懸念が広がっている。
 在宅利用が急増しているのは「就労継続支援B型事業所」。利用者は軽作業などをして、月1万~3万円の「工賃」を受け取るのが一般的。事業所には利用者1人当たり月15万円前後の給付金が国や自治体から支給される。営利法人の参入が増えており、25年末現在、全国に約2万カ所ある。
 共同通信が情報公開請求で得た厚労省のデータによると、在宅支援をしているのは21年3月に2210カ所だったが、25年3月には4380カ所と2倍に増加。そのうち「利用者の半数以上が在宅」という事業所は21年の171カ所から、25年には544カ所と3・2倍になった。
 544カ所を都道府県別に見ると、大阪が191カ所で最多。次いで北海道、宮城、福岡が多く、東京はゼロだった。
 在宅利用は新型コロナウイルス禍を受け21年に条件が緩和されたが、コロナ禍が沈静化した23年以降の方が増加ペースが上がっていた。(1)本人が希望(2)在宅利用に効果が認められる(3)1日2回以上の連絡(4)原則、月1回の通所かスタッフの訪問-などが条件に定められている。
 「乱用」の指摘は、以前から障害福祉関係者の間で出ており、厚労省や自治体の対応は追い付いていないのが実情だ。
(共同通信社)