厚生労働省は4月から、働く高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」を見直し、満額支給になる対象を拡大する。年金を減らす基準額(賃金と年金の合計)を、現在の月51万円から65万円に引き上げ、新たに満額受給の人が約20万人増える見込み。人手不足が深刻化する中、高齢者が年金カットを気にして働き控えしなくていいように環境を整えて、就労を後押しする。
在職老齢年金は、賃金と厚生年金(基礎年金部分を除く)の合計が基準額を超えた分の半額を減らす仕組み。現役世代並みの収入がある高齢者に、年金制度の支え手に回ってもらうという考え方に基づく。2022年度末時点で、65歳以降も働く年金受給者は約308万人おり、うち約16%の約50万人が減額されている。
制度を巡っては、経済界や有識者から「高齢者の勤労意欲が抑圧されている」などとして将来的に廃止を求める声もある。年齢に関わらず働きやすい環境を整備するため、次期年金制度改革でもさらなる見直しが検討課題になる見通しだ。
一方、給付増による年金財政の悪化を避けるため、来年9月以降、一定の収入を超える現役世代の厚生年金保険料は上げる。月収66万5千円(賞与除く)以上の会社員の厚生年金保険料を3段階で引き上げる。現在の月5万9475円から最大で約9千円増やす。保険料の算定基準の上限を引き上げるもので、対象は200万人を超える見通し。
(共同通信社)
2026年03月25日 共同通信社