2026年02月04日  共同通信社

大企業、給与還元に疑問符 中小は余力乏しく

 労働分配率は、企業が生み出した利益など付加価値をどの程度人件費に回したかを示す指標だ。大企業は下がる一方、中小企業は高水準で推移し、賃上げ余力が乏しい。大企業は近年利益を拡大させているが、給与面で従業員に対する還元には疑問符が付く。
 日本総合研究所が財務省の法人企業統計から算定した大企業(金融・保険業を除く)の労働分配率は2025年7~9月期で35・5%。00年以降で最低水準だった。これに対し中小企業は70・5%で、過去25年を振り返るとほぼ70%を超えている。
 大企業の労働分配率低下の背景には、製造業でロボット化、非製造業で無人レジといった省人化投資で人手をかけずに利益を上げていることがある。半面、中小企業は労働集約型の運営が多い。大企業の製造業は円安ドル高傾向も業績向上の追い風になっている。
 内閣府は、日本全体の労働分配率について「米国やドイツなど主要先進国と同程度の水準となっている」と分析する。
 SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、労働分配率の低い大企業が従業員への還元だけではなく、中小企業との取引価格の引き上げを通じ、利益を回していくことが重要だと指摘。「実現すれば、企業規模を問わない賃金上昇の継続につながる」と話す。
(共同通信社)