厚生労働省は1日、障害者を雇う企業に代わって働く場を提供する「代行ビジネス」を巡り、事業者に対する運営指針を作成する方針を明らかにした。専門スタッフの配置を求める記述などを盛り込む。利用企業の業務とは無関係で、障害者の能力発揮につながらない仕事をさせる事業者の対応が問題化しており、改善を促す。同日開かれた有識者検討会に指針などの対応案を示した。
業務と無関係な例として、企業が代行事業者を利用し、農園で本業とは関係のない農作業や事務作業に従事させるケースなどがある。厚労省によると、10月時点で国内に46事業者があり、延べ1802社の企業が利用している。
指針案は専門知識のあるスタッフ配置や育成のほか、障害者の仕事が利用企業の本業に役立つよう支援することを要請。指針の達成状況を確認するため、事業者による情報開示も促す。
このほか、厚労省は代行ビジネスの利用企業に対し、年1回の実態調査で利用状況の報告を求め、必要な指導が行き届きやすくすることも検討している。
有識者検討会の会合では、経済団体から、代行ビジネスの定義や実態把握が不十分だとして、指針作成などは「時期尚早だ」とする意見も出た。
国は、一定規模以上の企業に従業員の2・5%以上の人員を障害者から雇用するよう義務付けている。この法定雇用率達成のため、企業が代行ビジネスを頼るケースが問題視されている。
(共同通信社)