2025年11月30日  共同通信社

外国人労災、初の6千人超 安全教育行き届かず 24年、厚労省まとめ

 外国人労働者の労災による死傷者数が2024年に初めて6千人を超えたことが30日までに、厚生労働省のまとめで分かった。現在の集計方法となり、3900人台だった19年以降、最多の更新が続き、歯止めがかからない。厚労省の担当者は「安全管理についての教育や、コミュニケーションが不十分なことが要因とみられる」と分析している。

 厚労省によると、24年の外国人労働者約230万人のうち、労災による死者と休業4日以上の負傷者は6244人だった。在留資格別では、定住者や永住者、配偶者2283人、技能実習1874人、特定技能810人。死者は39人で、19年の統計開始以降で最多となった。

 千人当たりの労災発生率は、日本人を含む全体2・35人に対し、外国人だけを見ると2・71人。在留資格別では、技能実習3・98人、特定技能3・91人が特に高い。

 国別では、ベトナム1594人、フィリピン878人、インドネシア757人、ブラジル673人と続く。業種別では製造業2979人、建設業1165人の順となった。事故類型は「はさまれ、巻き込まれ」1441人、「転倒」797人が多かった。

 厚労省は27年までに千人発生率を全体平均以下とすることや、翻訳された教材や視聴覚教材による労災防止教育を行う事業所を50%以上とすることを目標に掲げている。

(共同通信社)