2025年11月17日  共同通信社

カスハラ対策26年10月義務 関連法施行、企業対象 対応指針案、警察通報も

 厚生労働省は17日、顧客らが理不尽な要求をするカスタマーハラスメント(カスハラ)から労働者を保護するため、全ての企業や自治体に対策を義務付ける関連法を2026年10月1日に施行する方針を明らかにした。殴る蹴るの暴行や脅迫、侮辱などカスハラに該当し得る事例を明記し、警察への通報など対応方法を盛り込んだ指針案も示した。
 採用面接を受ける学生やインターン参加者などへのセクハラの防止策も同様に26年10月1日から義務化される。企業や自治体は指針を参考に対策を検討することになる。
 カスハラ対応の指針案では顧客のほか取引先、施設の利用者や家族、近隣住民も加害者になり得ると指摘。具体例として(1)性的な要求(2)契約金額の著しい減額の要求(3)物を投げつける、つばを吐きかける(4)交流サイト(SNS)への悪評の投稿をほのめかして脅す(5)無断で撮影(6)土下座を強要(7)必要のない質問を執拗に繰り返す(8)長時間の居座りや電話での拘束-などを挙げた。
 対応方法では、可能な限り労働者を一人で対応させず、労働者は管理監督者に直ちに報告し指示を仰ぐことなどを示した。顧客とのやりとりを録音・録画し、暴行や脅迫など犯罪に該当し得る言動があれば警察に通報するよう求めた。加害者に対する警告文の発出や出入り禁止の措置も「効果的」とした。
 セクハラ防止の指針案では、加害社員を懲戒処分とする社内規定を設けるなど周知・啓発に取り組むよう促した。
 改正労働施策総合推進法などが今年6月に成立。カスハラそのものを規制するわけではなく、被害の発生を抑止する方策や、発生した場合の被害回復策といった対応を義務付ける。対応が不十分であれば国が是正を指導、勧告し、従わない場合は公表する。
(共同通信社)