文部科学省は、大学学部と大学院修士課程を5年で修了する一貫教育を制度化することを決めた。希望する大学が申請して文科省が計画を審査・認定する方式とし、制度案を8日の中教審部会に示した。修了までの期間を短縮して大学院進学を促し、国際的に活躍できる専門人材を増やす狙い。年度内に大学院設置基準などを改正し、2026年度から導入する方針。
通常は学部4年と修士2年の計6年が必要。現在でも成績優秀な学生を対象に5年で修了する特例があるが、体系的な教育課程にはなっていなかった。
文科省案では、学部と修士を5年一貫とする場合は(1)学部で通常通り4年間学び、修士を1年で修了(2)学部段階で修士の単位を先取りして修士を1年で修了する-のいずれかを大学が選択する。
大学院に進む際は、学部の成績で選抜するか、入試を課すかは大学の判断とする方向。学部を3年に短縮する一貫教育を導入するかどうかは、新制度の運用状況やニーズを踏まえた今後の検討課題とした。
学部・修士の一貫教育を巡っては、今年2月の高等教育改革に関する中教審答申で拡充の方向性が示された。東京大は27年秋に開設予定の新学部「カレッジ・オブ・デザイン」で、学部4年と修士1年の5年一貫教育プログラムを計画している。
文科省によると、24年度の修士課程入学者は7万8991人。03年度に比べると、工学や農学の分野が増加した一方、人文科学や社会科学は減少している。
(共同通信社)
2025年10月08日 共同通信社