長崎市の乳酸菌飲料販売「長崎ヤクルト」の総務課長だった男性=当時(50)=が2020年に自殺したのは、長時間労働などが原因だったとして、遺族が当時取締役だった社長と同社に計約9800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、長崎地裁は3日、業務に起因しうつ病を発症したと認め、同社に約5900万円の支払いを命じた。
松永晋介裁判官は判決理由で、男性が業務過多による強い心理的負荷を受けていたとし、同社の注意義務違反を認めた。原告側が原因の一つだと主張した社長のパワハラや、社長個人の賠償責任は認定しなかった。
訴訟では、退職した男性2人も社長のパワハラなどを訴えた。判決はうち1人への社長のパワハラを認め、同社に33万円の賠償を命じた。
判決によると、自殺した男性は1998年に入社して営業畑を歩み、17年に総務課長になった。20年8月に新型コロナウイルス対応で休日出勤して12日連続勤務になったほか、同9月には法改正に伴う衛生管理の監査体制構築作業が再開。11月にうつ病と診断された。
同12月9日、衛生管理の会議で「すみません、すみません」と謝り、翌10日、自宅で自殺しているのが見つかった。
自殺した男性の母(81)は記者会見で「パワハラは認定されず、とても残念。会社には息子の死にしっかりと向き合ってほしい」と話した。同社は取材に「判決文の内容を確認しておらず、コメントできない」と答えた。
(共同通信社)
2025年10月03日 共同通信社