2025年10月02日  共同通信社

働く女性の健康支援促進 指針改正へ、企業計画反映 休暇整備や相談体制

 厚生労働省は2日、生理など女性特有の健康課題の支援を企業に促すため、女性活躍推進法に基づく指針の改正案を労働政策審議会の分科会に示した。休暇を取りやすい環境の整備や柔軟な働き方、相談体制の構築を盛り込んだ。年内にも指針を改正し、来年度から適用したい考え。企業は指針を参考に、策定を義務付けられている行動計画に反映する必要がある。
 今年6月の女性活躍推進法改正で、健康上の特性に配慮すると初めて明記。これを受け指針を改め、支援の具体例を加える。
 休暇の充実策として、生理や更年期症状、不調時の休養や治療・通院といった多様な目的で利用できる休暇制度の整備を挙げた。柔軟な働き方では、所定外労働の制限や時差出勤、短時間勤務、テレワークなどの導入を掲げた。
 相談体制の構築に向け、産業医やカウンセラーの配置、相談先の紹介、オンラインによる健康相談を求めた。職場の理解を深めるための研修会開催のほか、女性同士が気軽に相談し合える交流の場の設置も促す。
 男性にも支援が必要との意見もあり、改正案は「女性だけでなく労働者全体を対象として取り組むことも有効」とした。
 健康の悩みを抱える女性は多く、業務効率の低下などから退職する人もいる。政府は女性の健康課題による経済損失を年間で約3兆4千億円と試算。健康支援が企業経営の面でも重要とされる。
(共同通信社)