2025年09月20日  共同通信社

AI関連求人6・6倍に 17年度比、非技術系も増 生成系普及で需要高く

 人工知能(AI)に携わる人材の需要が高まり続けている。民間の調べによると、2024年度のAI関連の求人数は、技術系職種で17年度の約6・6倍となった。非技術系が多い職種でも増加。生成AIの普及と活用推進によって技術開発のみならず、既存業務の在り方を刷新する動きが背景にあり、今後も技能を持つ人材の求人が伸びると見込まれている。
 国内最大規模の転職サービス「リクルートエージェント」のデータを、運営元のインディードリクルートパートナーズ(東京)が25年6~7月に調査した。「人工知能」「深層学習」といった単語が含まれている求人を抽出。現在の生成AIの発展につながる研究が発表された17年度を基準に、推移を分析した。求人数の実数は公開していない。
 技術系の求人数は18年度に1・75倍、19年度は3・12倍に増加した。米オープンAIの対話型生成AI「チャットGPT」が登場した22年度と、翌23年度は4倍を超え、24年度に6・57倍に達した。業界別では「IT通信」や「コンサルティング」などからの引き合いが強かった。
 また営業や企画といった非技術系部門の求人数も、24年度は17年度比で大きく増えた。実際のビジネス現場でAIを活用する際の推進役として、需要があるとみられる。
 同社コンサルタントの垣見大介氏は「AI人材の需要はより高まっていくのではないか」と話す。ただ採用現場では、企業側がどのような人材が必要か明確にできていない事例もあると指摘。ミスマッチは働き手の早期離職につながることもあり、企業は自社の課題の整理が必要だと説明した。
 AIの活用を巡っては、定型業務などで雇用が減るとの見方も強い。労働市場は今後、求人が二極化していく可能性が指摘されている。
(共同通信社)