2025年09月11日  共同通信社

CAの賃金体系変更は無効 ジェットスター支払い命令

 賃金体系の変更を一方的に提示され、拒んだら減給されたとして、格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンの客室乗務員(CA)15人が同社に減額分の賃金支払いなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁は11日、変更を無効とし、計約1212万円の支払いを命じた。
 中野哲美裁判長は「新たな賃金体系だと、減額は最大で約10・83%、平均約6・10%と小さくなく、相応の不利益を受けている」と指摘。減額すべき必要性や内容の相当性は認められず、労働組合への説明も不十分なまま導入したと判断した。
 判決後に東京都内で記者会見した原告代表の木本薫子さんは「コンプライアンス意識を欠く企業体質に警鐘を鳴らす大きな成果だ。航空の安全を担うCAの仕事に見合った労働環境を求めていきたい」と話した。
 判決によると、同社は2021年4月、労働組合から反対意見が出されていたのに受け入れず、時給制から固定給制にする新たな賃金規定を導入。同意しなかったCAには従来の時給制を維持した上で、その後一方的に減給とした。
 ジェットスターを巡っては、勤務中に休憩がないのは労働基準法違反だとして、CAが休憩の確保を求めた訴訟で東京地裁は4月、会社に休憩時間を確保するよう命じ、今後控訴審が予定されている。
 ジェットスターは「判決内容を精査して、適切に対応する。今後もより良い職場環境の実現に注力する」とのコメントを出した。
(共同通信社)