2025年09月09日  共同通信社

賃上げへ中小企業支援強化 経産省、価格転嫁後押し

 武藤容治経済産業相は9日の閣議後記者会見で、最低賃金の引き上げを受け、中小企業などへの支援を強化すると表明した。賃上げの原資を確保するため発注側企業が人件費などの価格転嫁の交渉に応じるよう働きかける方針。「賃上げに対応できるよう後押しが重要だ」と強調した。

 厚生労働省が5日に公表した最低賃金の全国平均は過去最高の1121円で、引き上げ額も過去最大となった。人件費増による企業の負担を懸念する声もあり、政府として支える。

 経産省は(1)価格転嫁対策(2)補助金(3)生産性向上-の3本柱で支援すると説明。政府は生産性向上に対する補助金の支給対象を拡充することなどを既に表明している。経産省はこのほか、生産性向上に向けた助言などを行う新組織を各都道府県に設置する。

 価格転嫁対策では、価格転嫁や支払期間短縮などの協議に応じない企業への監視を強化。補助金では、販路開拓に取り組む小規模事業者に、既存の「持続化補助金」の活用などを呼びかける。

(共同通信社)