2025年08月16日  共同通信社

外国人の派遣労働把握へ 専門職資格で単純作業も 是正必要と判断、入管庁

 一定の技術や知識が必要な専門職に従事する外国人向けの在留資格「技術・人文知識・国際業務」(技人国)で、派遣労働に関するトラブルが相次いでいるとして、出入国在留管理庁が実態把握に乗り出す方針であることが16日、分かった。本来禁止された単純作業を派遣先で担うケースなどを確認、是正が必要と判断した。起業向けの在留資格「経営・管理」の要件厳格化も検討する。
 技人国の派遣労働を巡っては、資格外活動や賃金未払いなどの問題が発覚。雇用状況を把握する仕組みが不十分との指摘があり、入管庁は実態を確認し不適切事案に対処したい考えだ。
 入管庁によると、近く開かれる有識者会議で具体策を議論する。技人国の外国人は2024年末時点で約41万人となり、23年末より約5万6千人増えて過去最多となった。派遣業者を利用する傾向は強まっており、1割程度の約4万人が契約しているとみられる。派遣先では生産管理や通訳を担うことが多い。
 技人国の取得には、母国で大学などを卒業して技能を有する必要がある。専門性の高い分野での就労が原則だが、派遣会社が派遣先に対し、専門外の仕事も可能と説明し、単純作業をさせるケースなどが確認された。
 入管庁は調査態勢を強化して対象外の仕事に従事していないかどうかを確認し、啓発活動にも力を入れる方針。状況が改善されない場合は、在留期間の途中で派遣先が変わった際、入管庁へ事業所名を報告するよう外国人に義務付けることも検討する。
 外国人支援団体によると、派遣会社に仕事を紹介してもらえないなどの相談も増えている。技能実習では外国人をサポートする公的機関が設けられているが、技人国は支援体制がないためトラブルに遭うことも多いという。
 「経営・管理」については、実態のない会社を設立し資格を得るケースが判明。必要な資本金を500万円以上から3千万円以上に引き上げるなどの厳格化を検討する。
(共同通信社)