2025年06月05日  共同通信社

4月実質賃金1・8%減 マイナス4カ月連続 春闘反映、給与はアップ

 厚生労働省が5日公表した4月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年同月から1・8%減った。マイナスは4カ月連続。大手で満額回答が相次いだ春闘の結果が反映されたとみられる現金給与総額はアップしており、依然として賃上げが物価上昇に追い付かない状況だ。
 現金給与総額は名目賃金に当たり、2・3%増の30万2453円。プラスは40カ月連続となった。物価の変動を示す消費者物価指数は4・1%上昇し、差し引きで実質賃金がマイナスとなった。
 給与総額のうち、基本給を中心とした所定内給与は2・2%増の26万9325円で、42カ月連続のプラス。前月3月分(確報)の1・4%増よりプラス幅が拡大しており、厚労省の担当者は「春闘の影響が一定程度は反映されているのではないか」との見方を示した。
 残業代などの所定外給与は0・8%増の2万226円。ボーナスなどの「特別に支払われた給与」は4・1%増の1万2902円だった。
 給与総額を就業形態別にみると、フルタイムの一般労働者が2・6%増の38万8583円、パートタイム労働者が2・2%増の11万1291円。
 政府は賃上げを重要課題に位置付けており、2029年度までに、実質賃金が1%程度上昇するのが当たり前の社会にするとの目標を掲げている。
(共同通信社)