日本企業における構造的課題とその解決に向けて
経営戦略と連動して人材戦略を進める中で、サクセッションプランを適切に策定・運用することの重要性が高まっている。統合報告書内等において、経営計画やさまざまな人的資本データとともにサクセッションプランの状況について記載する企業も増えており、社外のステークホルダーにとっても大きな関心事となっていることがうかがえる。他方、サクセッションプランを策定後、実効性を伴った運用を実現するためには、制度内容自体や運用プロセスを改善することに加え、日本企業特有の構造的要因も考慮する必要がある。経営陣をはじめ各レイヤーの緻密な検討を経て完成した、自社にとって最適だと感じているサクセッションプランでも、適切な運用を行えなければ、絵に描いた餅となってしまう。
そこで本記事では、マーサージャパン株式会社の白井正人氏に、メンバーシップ的な人事管理の色合いが濃い日本企業において、ジョブ型雇用を前提とした仕組みであるサクセッションプランの実効性を向上させるために、企業が取るべき方針など事例を交えて解説いただいた。

しらい まさと
マーサージャパン株式会社
取締役 組織・人事変革コンサルティング部門 日本代表 パートナー