アルバイトや契約社員らによる「非正規春闘」の実行委員会はこのほど、今春闘の交渉状況をまとめた。労組の全国組織・連合の集計では、正社員の平均賃上げ率は5%台で推移するが、非正規春闘では4%台前半にとどまった。ゼロ回答が相次ぎ、実行委は「格差は顕著になっている」と主張している。
実行委によると、3回目の今年は10%以上の賃上げを目標に掲げ、31の労組が参加。8日時点で134社10自治体と交渉し、賃上げの回答があったのは78社。賃上げに応じた企業数は過去最多となり、10・8%(介護関連)、7%(教育関連)といった高額回答も得られた。
一方、ゼロ回答や無回答、交渉継続中が66に上った。実行委は賃上げ回答の企業でも、総額人件費を維持するためか、背後でシフト削減による労働強化が進んでいると指摘。格差是正と合わせ、今後の運動課題としている。
実行委に加わる「首都圏青年ユニオン」の尾林哲矢執行委員長は、夏の最低賃金改定の動向をうかがう企業側も多かったとして「この点でも、安く抑えようとする思惑が透けて見える。交渉に臨む労働者の要求に誠実に答えてもらいたい」と訴えた。
(共同通信社)