中小企業での介護離職を食い止めようと、厚生労働省が対策に力を入れている。離職が後を絶たないのは、業務負担が増す同僚への気兼ねなどから介護休業を取得しにくいのが一因。このため今年4月から補助金を増額し、代替者の雇用など、従業員が安心して休業できる環境の整備を促している。
従業員が介護休業を取得するのに伴い、代替者の新規雇用や派遣従業員の受け入れに踏み切れば、休業5日以上で補助金20万円を支給している。4月からは、より長い休業取得を後押しするため、15日以上なら30万円に増やした。
業務を引き継いだ同僚に手当を支給した場合の補助金は、これまで5日以上で5万円。これも15日以上なら10万円に引き上げた。
新設したのは3万円の補助金。介護で15日以上の短時間勤務となり、業務を引き継いだ同僚に手当を支給すると対象となる。
総務省の2022年調査によると、介護や看護で過去1年間に離職した人は10万人を超えた。一方、介護をする雇用者約321万人のうち、介護休業を使ったのは1・6%の約5万人。東京商工リサーチによる4月の企業アンケートでは、過去1年間の「介護休業の発生」は大企業で13・6%、中小企業は3・6%にとどまった。
(共同通信社)