CAの休憩時間確保命じる ジェットスターに東京地裁 「緊張度高い」労基法違反

 格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンの客室乗務員(CA)ら35人が、フライトなど長時間の拘束が続く勤務中に休憩がないのは労働基準法違反だとして、会社に休憩の確保を求めた訴訟の判決で、東京地裁は22日、運航中は「精神的、肉体的に緊張度が高い」として労基法違反を認め、休憩時間を確保するよう命じた。
 航空・鉄道などに支障が生じることを避けるため、労基法の施行規則で「長距離乗務している場合」や休憩に相当する時間があれば、休憩を与えないことができるとしている規定の適用が主な争点だった。同社側は、CAにはこの規定が適用され、仮に適用されない場合も、運航中に客室サービスが終了すれば「クルーレスト」と呼ばれる場所で業務をせず休めると主張していた。
 高瀬保守裁判長は「長距離乗務」は6時間以上だとし、複数回離着陸を繰り返す同社CAの乗務時間は達しないため規定の適用外だと判断。その上で、乗務中は安全確認や機内清掃に当たるほか、乗客や急病人への対応が必要で、クルーレストでの滞在も「緊張度が低いとは認められない」とし、休憩に当たらないと結論付けた。
 また休憩を設けなかったのは安全配慮義務違反だとして、原告1人当たり11万円を賠償するよう命じた。
 判決後、原告側は「安全運航にはクルーの健康と尊厳が守られる必要がある」との声明を出した。ジェットスターは「主張の一部が認められず残念」とコメントし、即日控訴した。
(共同通信社)