転職などで会社を退職した元社員を再び採用する制度や仕組みを導入する企業は74%(87社)に上った。雇用の流動化が進む中、社風になじみがあり、社外で多様な経験を積んだ「即戦力」として期待される。元社員同士のネットワークを企業主導で設けるなど、頼りになる人材との接点を持ち続ける工夫も広がる。
こうした制度は「カムバック」採用や、英語で卒業生を指す言葉に由来する「アルムナイ」採用などの名称で定着しつつある。今後導入を検討していると回答した企業は6%(7社)だった。
ある企業は「社内文化の理解に心配がなく、採用側にとって安心感がある」と指摘する。村田製作所は「育児や介護などやむを得ない理由で退職した元社員に対し、当社でのキャリア再開を選択肢の一つとしてもらう」と回答した。人材育成のコストを抑制できることも意識されている。
企業は退職者の情報を適切に管理し、十分な受け入れ体制を整える必要がある。「会社の求める人材がカムバックを希望するとは限らない」との率直な声も聞かれた。
(共同通信社)