自動車部品などを製造する「アイシン高丘」(愛知県豊田市)に勤めていた40代男性が自殺したのは長時間労働などが原因だとして、妻が遺族補償や葬祭料を不支給とした豊田労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は26日、因果関係を認め取り消した。
判決によると、男性は2017年12月に遺書を残して自殺した。遺族は遺族補償などを請求したが、労基署は支給しない決定をした。
五十嵐章裕裁判長は判決理由で、男性が17年10月の担当見直しで、工場の設備対応などの不慣れな業務を担うようになったと指摘。11月の時間外労働は85時間超で、10月の約3倍となるなど、心理的負荷は強かったとして、業務と自殺の因果関係を認めた。
労基署は「判決内容を精査し、今後の対応を決めたい」としている。
(共同通信社)