パート賃上げ6・53% 過去最高、正社員上回る UAゼンセン「格差是正」

 小売りや外食、繊維などでつくる、連合傘下で最大の産業別労働組合「UAゼンセン」は13日、加盟組合で今春闘のパートタイムの平均賃上げ率が6・53%に達し、過去最高になったと発表した。正社員は5・37%。パートの伸びが正社員を大きく上回った。東京都内で記者会見した永島智子会長は「格差是正が大きく進んでいる」と評価した。
 平均賃上げ率は正社員が月給ベース、パートが時給ベース。パートの賃上げ率が正社員を上回るのは2017年春闘から9年連続となった。特に人手不足が深刻な小売業界で、積極的に引き上げる傾向が見られた。
 個別企業のパートの賃上げ率では、イオングループでドラッグストアを営むウエルシア薬局が7・05%、スーパーのライフコーポレーションが6・15%となった。家具・日用品販売のニトリは5・00%となった。
 UAゼンセンは春闘集中回答日の翌日に当たる13日午前までに報告のあった組合の妥結状況を集計した。ここまでは大企業での妥結が多く、協議が継続中の中小企業に高水準の賃上げが波及するかどうかが焦点となる。
 前年の同じ時期の集計では、パートの賃上げ率が6・45%、正社員が5・91%だった。正社員は前年を下回って推移しており、UAゼンセンは今後高水準の回答が相次ぐことを期待している。
 正社員は139組合、パートは95組合が妥結した。契約社員を含め、計約76万人の賃上げが決まった。今春闘でUAゼンセンは正社員が6%、パートは7%を基準として賃上げを求める方針を示していた。
(共同通信社)