実質賃金1月1・8%減 3カ月ぶりマイナス 物価高加速、コメや野菜

 厚生労働省が10日公表した1月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年同月比1・8%減で、3カ月ぶりのマイナスだった。コメや生鮮野菜など食料価格の高騰や政府の補助が縮小したガソリン代の値上がりで、物価高が加速。多くの企業で冬の賞与(ボーナス)の支給が終わり、昨年11、12月のようなボーナスによる底上げもなかった。
 厚労省の担当者は「今年の春闘の影響が統計に出てくるのは4月分以降。物価高が落ち着かなければ3月分まではマイナスが続くとみられる」としている。
 名目賃金に当たる現金給与総額は2・8%増の29万5505円で37カ月連続のプラスだったが、統計に用いる消費者物価指数が4・7%上がった。2023年1月以来の高い伸びで、実質賃金は減った。
 給与総額の内訳は基本給を含む所定内給与が3・1%増、残業代などの所定外給与も3・1%増、主にボーナスが占める「特別に支払われた給与」は3・7%減だった。
 給与総額を就業形態別に見ると、フルタイムの一般労働者は2・7%増の37万9253円、パートタイム労働者は4・5%増の10万9252円。産業別では飲食サービス業6・4%増、教育・学習支援業5・8%増などの伸び率が高かった。
 実質賃金は24年5月まで過去最長の26カ月連続マイナスを記録。24年にプラスだったのは6、7、11、12月だった。
(共同通信社)