保険料肩代わり、全額還付 厚生年金、企業負担軽減

 厚生労働省は、従業員が払う社会保険料の一部を企業が肩代わりできる仕組みを導入した場合、肩代わり分の全額を中小企業側に還付する方針を固めた。28日に開かれた公明党の会合で示した。当初は8割還付の方向で調整していたが自民、公明両党から還付額の引き上げを求める意見が上がっていた。
 年金制度改革では、会社員に扶養されるパートらが厚生年金に加入する年収要件(106万円以上)や、企業規模要件(職場の従業員数51人以上)を廃止。新規加入者の保険料負担による手取り減を緩和するため、企業による肩代わりの仕組みを2026年10月から3年間の特例で設ける。対象は「年収151万円未満」の従業員とし「従業員50人以下の企業」などに限定。肩代わりできる割合は国が一律で定める。
 例えば年収106万円の従業員の社会保険料は、年金と医療を合わせて約1万2千円となる。特例の適用で企業側が通常より約6千円多く支払った場合、従業員の負担はその分軽くなる。企業には肩代わりした約6千円の全額が還付される。
(共同通信社)