賃上げ「6%」1割届かず 中小企業、連合目標遠く

 2025年春闘で賃上げを予定する中小企業のうち、連合が目標とする6%以上の賃上げを見込む企業が9・1%にとどまることが1日、東京商工リサーチの調査で分かった。連合は大手企業との賃金格差の是正を最重視するが、ほとんどの中小が目標に遠く及ばず、大手との差が埋まらない現状が浮き彫りとなった。
 賃上げを予定すると回答した中小2251社のうち、賃上げ率は3%台が652社で29・0%を占めて最も多く、5%台が27・1%、2%台が16・2%で続いた。10%以上の高水準は2・7%だった。中小全体の平均賃上げ率は3・94%で、大手152社の平均4・02%を下回った。
 企業全体の85・2%が25年春闘で賃上げを計画する。規模別では、大手企業の92・9%に対し、中小は84・6%と差がついた。賃上げを実施しない企業の多くは、原材料価格や燃料費などの高騰を理由に挙げた。
 東京商工リサーチは2月上旬に調査を実施し、5467社の回答を分析。担当者は「中小企業の賃上げ率は思ったよりも高い水準だったが、それでも大手には届いていない」と指摘した。
 連合は25年春闘で全体5%以上、中小企業6%以上の賃上げを目指す方針を掲げる。中小の目標をより高く設定し、大手との格差縮小につなげる狙いがある。
(共同通信社)