就活、会社説明会が解禁 人手不足で学生優位 初任給や福利厚生注力

 2026年に卒業する大学生・大学院生を対象にした新卒採用の会社説明会が1日解禁された。慢性的な人手不足を背景に今年も学生優位の「売り手市場」が続く。解禁日より前に選考を進める企業も多く、就職活動中の学生の約4割が既に少なくとも1社の内定を得ている。企業側は学生を引きつけようと初任給引き上げや福利厚生の充実に力を入れている。
 就職情報会社マイナビが千葉市で開いた合同説明会には約160社が出展した。流通経済大の女子学生(20)は「まず見るのは休暇日数や手当など。転勤がないことも大事。いつか出産もしたいので復帰後の働きやすさも気にしている」と話した。
 現段階で数社の選考を受けている城西国際大3年の女子学生(21)は「目指している観光業は、あまり休めない業界なので、休みは期待していない。やりたいことをできるかどうかが大事だ」と意気込んだ。
 マイナビが2月に公表した調査結果によると、初任給の引き上げを予定している企業は54・1%。昨年から6・9ポイント増加した。
 人材派遣業の担当者は「休日や残業時間を聞いてから事業について尋ねる学生が増えている。福利厚生で取り込まないと応募してくれない」。製造業の担当者は「求人サイトに募集を出しても、なかなか集まらず、特に中小企業は厳しい」と明かし、説明会では休暇を増やして働く環境を整備したと強調した。
 新卒の就職活動は会社説明会が3月から、面接などの選考が6月からといったルールが設けられている。しかし早期に学生を囲い込もうと企業側が前倒しするのが一般的で、形骸化が進む。リクルートの就職みらい研究所の調査では、2月1日時点で39・3%の学生が内定を得ている。
(共同通信社)