北海道の日本郵便の契約社員ら6人が、同じ仕事をしている正社員には支給される寒冷地手当が払われないのは不当な格差だとして、同社に手当など約55万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は7日、請求を退けた一審判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。
原告らは控訴審で、旧郵政省が非常勤職員に寒冷地手当を支給した時期があったと主張したが、小河原寧裁判長は判決理由で「民営化前のことと推認され、それをもって直ちに不支給が不合理とはいえない」と判断した。
判決後、記者会見した原告の40代男性は「寒さは正社員と一緒だから、手当を出してほしかった」と嘆いた。代理人弁護士は「北海道の実情を分かっていない判決」とし上告する方針を示した。
原告らは2020年2月に提訴。最高裁は同年10月、扶養手当や有給の病気休暇などは「不合理な格差で違法」と判断し、これを受け、札幌地裁でも一部の手当は差額分を支払うことで22年11月に和解が成立したが、寒冷地手当は係争が続いていた。
一審判決は、基本給が全国一律の正社員の寒冷地勤務に伴う出費を補うことが寒冷地手当の目的で、契約社員の基本給は、各地域の生計費の違いが考慮された最低賃金を基に決められているなどとして請求を棄却した。
(共同通信社)