非常勤の無期転換認めず 東海大雇い止め、東京地裁

 東海大に雇い止めを通知された非常勤講師8人が、有期雇用契約が通算5年を超えたのに無期契約への転換を認めないのは労働契約法違反だとして、大学に地位確認を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、請求を棄却した。中野哲美裁判長は無期転換には通算10年の有期雇用が必要な特例の適用対象だと判断した。
 労働契約法では、有期雇用契約が通算5年を超えた場合、労働者が希望すれば無期雇用への転換を申請できる。一方、大学教員の任期に関する任期法では「多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職」は特例で10年と規定。大学は8人の職務実態が特例に該当すると主張していた。
 判決は、8人の担当科目は「経験や業績に裏打ちされた見識に基づいて行われていた」と指摘。学生への教育効果のためには教員の流動性も重要だとし、8人の職は特例対象だと結論付けた。
 原告団長で韓国語講師の河合紀子さん(60)は判決後に東京都内で記者会見し「私たちは研究の仕事を命じられたのではなく、授業をやる教育従事者だ。任期法が適用されるはずがなく大変不当だ」とし、控訴する方針を示した。
(共同通信社)