106万円の壁撤廃を提示 年金制度改革案、自民委

 厚生労働省は24日、通常国会での法改正を目指す年金制度改革案の概要を自民党の年金委員会に示した。扶養されるパートら短時間労働者が厚生年金に加入する収入要件(年収106万円以上)を撤廃する案や、高所得の会社員が払う厚生年金保険料を引き上げる案を盛り込んだ。
 従業員5人以上の個人事業所の厚生年金加入対象を現在の17業種から全業種へ段階的に拡大する案も提示。ただ、加入すれば厚生年金保険料を労使折半で負担することになるため「物価高で経営が大変な中、負担は大きく支援が必要だ」などの慎重意見が相次いだ。厚労省が対応を検討する。
 厚生年金の積立金を使って全ての国民が受け取る基礎年金(国民年金)を底上げする案は、次回以降の委員会で議論する。
 短時間労働者が厚生年金に入る収入要件は、保険料負担を避けるために働く時間を抑制する「106万円の壁」とされてきた。法成立後、約3年以内に撤廃する方針。
 高所得の会社員が払う厚生年金保険料は、算定の基になる標準報酬月額の上限を現在の65万円から75万円に引き上げる方向だ。
(共同通信社)