実質賃金4カ月ぶり増 賞与反映0・5%プラス 24年11月確報、大幅修正

 厚生労働省が24日発表した2024年11月の毎月勤労統計調査(従業員5人以上)の確報値で、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は前年同月比0・5%増となり、4カ月ぶりにプラスに転じた。主に賞与(ボーナス)が占める「特別に支払われた給与」が大きく伸び、0・3%減としていた今月9日公表の速報値を0・8ポイント大幅修正した。
 速報値の計算後に届いたデータを加えて算出した結果、「特別に支払われた給与」が速報値の7・9%増から24・9%増に上がった。ボーナスを支給した企業が増えたとみられ、厚労省の担当者は「ボーナスが大きく反映されるのは12月分からだが、速報値の後に届いたデータでも影響が強まっている」としている。
 6、7月もプラスだったが、ボーナスによる底上げ効果が大きかった。冬のボーナス支給後もプラスを維持できるかどうかは見通せない。
 名目賃金に当たる現金給与総額も増え、3・4%上がった消費者物価指数と差し引きでプラスとなった。
 速報値で3・0%増だった現金給与総額は、3・9%増の30万8486円。基本給などの所定内給与は2・5%増(速報値2・7%増)の26万4618円、残業代などの所定外給与が1・4%増(同1・6%増)の2万613円だった。
 実質賃金は22年4月以降、円安や原油高などの影響で過去最長の26カ月連続マイナスを記録した。昨年6月にプラスに転じたが、8月にマイナスに戻った。
(共同通信社)