子どもの世話のため夜勤免除の希望を申し出たところ退職を強要されたとして、名古屋市立大病院の女性看護師(47)が、運営する大学に慰謝料など220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は22日、請求を棄却した。
五十嵐章裕裁判長は判決理由で、病院が夜勤を軽減できるのに行わないことで職員が不利益を受ける場合、労働契約上の違反が生じ得ると指摘。ただ今回は、病院が夜勤ができない期間などを確認したのに、女性が家庭の状況などを具体的に説明しなかったため「対応を検討することは難しかった」と判断した。
また、女性は退職願提出を求められ退職を強要されたと訴えたが、夜勤がないパート社員として働くために必要な手続きで「継続勤務を希望する女性の意向に沿うためと理解できる」と退けた。
判決によると、女性は2008年から正規職員の看護師として雇用された。22年8月、夫が単身赴任することになったため夜勤免除を求めた。
(共同通信社)