厚生労働省は18日の衆院厚労委員会で、厚生年金の積立金を活用して基礎年金を底上げする改革案に関し、国庫負担を追加投入しない場合の影響額の試算を明らかにした。年収650万円超の厚生年金受給者は、将来受け取る年金額が現行制度の見通しより減る。国庫負担を追加する場合、年金額が減るのは年収1110万円超の人に限られていた。
基礎年金の財源の半分は国庫(税金)で賄うルールになっており、底上げには兆円単位の財源確保が必要になる。試算ではルールを変えて国庫負担をゼロと仮定した。ただ福岡資麿厚労相は厚労委で「国庫負担(の現行ルール)の維持が前提。あくまでシミュレーションの一つ」と説明した。
試算によると、年金の給付水準(現役世代の手取り収入と比べた年金額の割合)は2040年度に54・2%となり、国庫負担がある場合より2ポイント低下する。
試算では、今後の経済成長が過去30年と同程度で推移し、基礎年金の底上げに加え、扶養されるパートらが厚生年金に加入する収入要件(年収106万円以上)を撤廃した場合などを想定した。
(共同通信社)