若年正社員、転職意向31% 賃金や労働時間の改善求め

 15~34歳の若年正社員のうち「転職したい」と答えた人は31・2%だったことが15日、厚生労働省の2023年若年者雇用実態調査で分かった。5年前の前回18年調査から3・6ポイント増加。初めて30%を超え、転職を希望していない人の割合を上回った。賃金や労働時間の改善を求める人が多かった。若手の定着に向け、事業所には賃上げや働きやすい職場づくりが求められている。
 調査は約7800事業所(従業員5人以上)と、そこで働く15~34歳の約1万3200人が23年10月の状況を回答した。
 若年正社員のうち「転職したいと思っている」と回答したのは31・2%。「思っていない」は30・3%だった。残りは「わからない」など。「思っている」との回答は13年25・7%、18年27・6%で増加傾向にある。
 23年調査で転職を考える理由(複数回答可)は「賃金の条件がよい会社にかわりたい」が59・9%で最多。「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」50・0%、「仕事が自分に合った会社にかわりたい」41・9%と続いた。
 若年正社員を定着させる対策を取っている事業所は73・7%で前回比1・7ポイント増。具体策(複数回答可)では、労働時間短縮や有給休暇の積極的な取得奨励が52・9%で、前回比15・1ポイント増と大きく伸びた。厚労省の担当者は「若い世代でワークライフバランスへの意識が高まり、事業所も環境整備を心がけている」と分析した。
(共同通信社)