特定扶養控除、要件緩和へ 103万円から引き上げ 政府与党、国民と協議

 政府、与党は大学生らを扶養する親の所得から一定額を差し引き税負担を軽くする「特定扶養控除」に関し、扶養される学生らの年収要件を緩和し、現行の103万円以下から引き上げる方向で検討に入ったことが27日、分かった。学生らがアルバイトで多く稼いでも親の手取りが減らないようにするとともに人手不足の解消にもつなげる。
 特定扶養控除の要件緩和は、年収103万円を超えると所得税が生じる「年収の壁」引き上げと併せ国民民主党が求めている。28日の自民、公明両党と国民民主による3党協議でも議題となりそうだ。
 複数の関係者が明らかにした。年収要件の引き上げ幅や減収分を補う財源が焦点となる。自民税制調査会の幹部は「国民民主から要求が来ているので検討する」と明らかにした。
 特定扶養控除は19~22歳の学生を子に持つ親らの所得税を軽減する。子の年収が103万円以下の場合に親の所得から63万円を控除する。学生の年収が103万円を超えると親の税負担が増すため働き控えにつながり、別の「年収の壁」になっているとの指摘がある。
 自公と国民民主の3党の税調幹部は28日、2025年度税制改正を巡り会合を開く。年収の壁引き上げや特定扶養控除の要件緩和、防衛費増額に伴う増税の開始時期などについて協議するとみられる。
(共同通信社)