2024年11月18日  共同通信社

男性更年期、声上げづらく 「弱み見せられない」 啓発課題、19日は国際デー

 疲労感やほてり、気分の落ち込み-。男性ホルモン低下に伴う「男性更年期障害」に悩む人が増えている。症状があっても「弱みを見せられない」と声を上げづらいケースもあるとみられ、正しい知識を広げる取り組みが求められる。19日は、男性の生き方に目を向けジェンダー平等を目指す国際男性デー。
 「男性ホルモンがやや低いようで、すぐに取り入れられるセルフケアはありますか」。LINE(ライン)で寄せられた声に、看護師が、軽い運動やタンパク質摂取を提案していた。更年期世代の健康をサポートするTRULY(トゥルーリー、東京)のサービスだ。
 郵送した毛髪で男性ホルモン「テストステロン」の値が分かる検査キットを販売。ライン上で結果を受け取り、医師や医療の専門家に相談もできる。昨年8月以降、約300人が利用した。基準値より低いと判定された会社役員の男性(49)は「更年期の症状は健康診断でも現れないため、自覚しづらかった」と振り返る。
 厚生労働省の2022年調査では、男性にも更年期にまつわる不調があることを「よく知っている」と答えた男性は、発症が多い50代でも15・7%。適切な治療につなげるためにも、知識の普及は急務だ。
 男性が従業員の9割を占める自動車大手ホンダは22年10月から社内の啓発に力を入れている。外部機関を通じて専門家によるセミナーを受講できるようにし、社内報でも「男性更年期障害かも?」と銘打った特集を組んだ。実際に従業員が医療機関を受診し、快方に向かったケースもあった。
 橋本昌一キャリア・多様性推進室長は「『男はバリバリ働いてなんぼ』というムードはまだ残っているが、男女ともに体のことを相談できる環境をつくりたい」と話す。
 鳥取県庁は昨年10月、性別問わず、更年期障害を理由に取得できる特別休暇制度を導入。今年8月末時点で男性10人、女性20人が利用した。
 厚労省調査によると、症状を自覚している40代と50代の男性の8割以上が医療機関を受診していない。産婦人科医で公衆衛生学も専門とする重見大介さんは「弱みを見せられなかったり、病院に行きにくいと感じたりするのは男性が多い」と、性別による固定観念が背景にあると分析する。「誰にでも起こり得る体調不良という共通認識が必要だ」と話し、自分の体に向き合う重要性を強調した。
(共同通信社)