政府は12日、石破政権下で初となる規制改革推進会議を開いた。全国平均時給を1500円に引き上げる石破茂首相の目標を念頭に、最低賃金の決定プロセスの見直しを今後の検討課題とすることを確認した。日本の最低賃金は国際的に大きく見劣りするとの指摘がある。政労使の協議や経済財政諮問会議での議論も踏まえ、決定プロセスの在り方を詰める。
首相は会議に出席し「改革はスピード感が大事だ。できるものから経済対策に盛り込むようお願いする」と述べた。最低賃金を巡っては連合が昨年12月、正社員の賃金の中央値を時給換算した金額の6割を目指すと打ち出しており、今後政府で検討される可能性もある。ただ、大企業に比べて経営体力のない中小企業からは、性急な引き上げにつながる見直しには反対意見が出そうだ。
最低賃金の改定は労働者の生計費や賃金、企業側の支払い能力を考慮する。国と地方の審議会を経て毎年度改定され、2024年度の全国平均は時給1055円となっている。
社会保険料の負担を避けるため働く時間を抑える要因となっている「年収の壁」も取り上げる。106万円を超えた従業員の保険料を肩代わりした企業への補助金支給の制度について、手続きの簡素化を早期に実現するとした。
地方創生では移動の足の確保に向け、一般ドライバーが有料で客を運ぶ「ライドシェア」の全面解禁を巡る議論を続ける。被災した建物の解体、撤去の迅速化も課題に位置付けた。
(共同通信社)