正社員時と同じ仕事内容なのに待遇に格差があるのは違法だとして、JR九州の嘱託社員として定年後に再雇用された乗務員ら15人が同社に差額賃金など計約7200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は8日、請求を棄却した。原告側は控訴の方針。
判決理由で中辻雄一朗裁判長は、15人に支払われた退職手当が「定年退職後の生活保障機能を有している」と判断。嘱託再雇用社員の待遇は、会社と労働組合の交渉や合意を経て決まったとして、合理性を認めた。
その上で待遇格差は、2020年施行のパートタイム・有期雇用労働法や旧労働契約法が禁じた「不合理な相違」に当たらないと結論付けた。
判決などによると、5県に住む15人は17~20年、60歳で定年退職後、嘱託社員として再雇用された。業務内容は運転士や車掌、車両修繕など退職前と変わらなかったが、基本給は半減。扶養手当などの支給もなくなった。
原告団長の中村逸郎さん(66)は取材に「到底納得できない。働き方改革とは何だったのか」と怒りをあらわにした。
(共同通信社)
2024年11月08日 共同通信社