任天堂に二審も賠償命令 パワハラ一部認め10万円

 直接雇用が前提の「紹介予定派遣」として任天堂で働いていた40代女性が、パワーハラスメントで精神的苦痛を受けた上、不当に直接雇用を拒否されたとして、同社に損害賠償や社員としての地位確認を求めた訴訟の控訴審判決で大阪高裁は18日、一審に続きパワハラを一部認め10万円の賠償を命じた。女性と同社双方の控訴を棄却した。
 判決によると、女性は2018年4月から保健師として勤務。任天堂は9月、上司に当たる産業医と円滑な協力態勢が構築できなかったとして直接雇用しない旨を派遣会社に伝えた。
 本多久美子裁判長は判決理由で、一審京都地裁判決に続き産業医が業務上必要な声かけを無視したり、定例ミーティングを中止したりしたことはパワハラに当たると判断し、任天堂の使用者責任も認定した。
 一方で、協力態勢が構築できなかったのはパワハラが原因でなく、元々業務を巡り女性と産業医には「考え方に違いがあった」として一審同様、地位確認請求は退けた。
 紹介予定派遣は、派遣社員として一定期間働き、本人と派遣先が合意すれば直接雇用される労働者派遣法に基づく制度。
(共同通信社)