経団連は30日、2025年の年金制度改正に向けた政府への提言を発表した。65歳以降の賃金に応じて厚生年金が減る「在職老齢年金制度」の将来的な廃止の検討を訴え、主婦やパート従業員ら第3号被保険者の縮小も求めた。
経団連によると、在職老齢年金制度を廃止した場合、働く意欲のある高齢者の就労が広がり、深刻化する人手不足の解消も期待される。ただ現在の年金受給者への給付が増えるため、年金財政が圧迫される懸念がある。経団連は25年改正では「対象者の縮小にとどめる」と提案。30年の改正で廃止に向けて本格的に検討すべきだとした。
第3号被保険者が社会保険料の負担を避けるため、働く時間を抑える「年収の壁」は働く意欲をそいでいると指摘される。提言では、働くことで生涯所得や年金給付が増加することなどについて「積極的に広報、啓発すべきだ」と訴えた。
(共同通信社)