人事院は17日、キャリア官僚と呼ばれる国家公務員総合職の2024年度秋採用試験に、過去最多の4734人が申し込んだと発表した。前年度に比べ17・9%増え、2年連続のプラス。秋の試験は、法律といった専門試験を課さず企画立案力などを問う「教養区分」。担当者は「受験しやすい区分として、認知度が上がっている」と分析している。
申込者のうち女性は17・0%増の1937人だった。1次試験は今月29日に行われ、2次試験を経て12月に最終合格者を発表する。
春の採用試験と合わせた申込者数は1万8333人で、53人減だった。民間企業が採用を活発化させる中、長時間労働などを理由に公務員の人気は低下傾向にあり、人事院は労働環境の改善を進めたい考えだ。
人事院は中途採用試験への応募状況も発表した。民間企業での実務経験がある人向けの試験は20・5%減の1351人。担当者は「人事院が実施する試験以外にも、省庁が独自で採用するケースも増えており、申し込みが分散している可能性がある」と説明した。
バブル崩壊の影響を受けた「就職氷河期世代」を対象とした選考も35・3%減って3909人だった。
(共同通信社)